こんにちは! せがひろです。
今回は、
「人は、いくら稼げたら満足するのか?」
について考えてみたいと思います。
みなさんは、年収と効用(幸福度)の関係
というグラフを見たことがあるでしょうか?
そのグラフによると
年収が増えれば増えるほど、
幸福度は緩やかなカーブに
なっていくというものです。
しかし、自分の周りの人に聞いてみると、
みんなまちまちです。
なぜか?
・今現在の年収が基準
・何を欲しいと思っているか?
それによって、
個々に異なるということです。
しかし、それを言ってしまうと
身もふたもないので、
著書「幸福の測定」を基に
解説したいと思います。
この本によると日米英だけが、
お金が増えれば増えるほど、
幸福度が上がるそうです。
幸福度が上がらなくなる
ラインが無いらしいんです。
冒頭で説明した内容と
違いますよね。
そこで、この記事では、
以下の2つについて取り上げます。
1.お金が増えるほど幸せになる2つの理由
2.日常生活での取組み2選
記事を読むことで、
今の世界でお金を稼ぎ、
貯めることは間違っていない。
「貯める」と「使う」の
上手なバランスのとり方のヒント
それを理解できます。
経済的に豊かになりたい!
という人はもちろんのこと、
お金より大切なものがある。
目的のない預金は無意味。
そういった預金に興味がない人も、
ぜひ、最後まで読んでみてください。
色んな考え方を知ることは、
学びに繋がります。
それでは本題に入ります。
お金が増えるほど幸せになる2つの理由
最初に結論ですが、
①人生の評価を高めるから
②柔軟性に繋がるから
この2つです。
①人生の評価を高めるから
そもそも研究者たちは、
何を基準に幸福度を決めているのでしょう?
実は評価基準はいっぱいあるそうです。
ここでは2つのパターンを
みていきましょう。
1.長期的な評価
人生全体で見た時に、どれほど幸福か?
人生の中での評価ですね。
2.短期的な評価
ここ最近、幸福だったか?
長期的な幸福度を測るには、
次のようなアンケートを取るそうです。
0の段が最も低く、
10の段が最も高い
そういう「はしご」を
想像してください。
はしごの最も高いところは、
あなたが考える、
最も良い生活を意味し、
はしごの最も低いところは、
あなたが考える最も悪い生活を
意味しているとします。
現在、あなたは
どの段にいると感じますか?
要するに、現在のあなたの生活は、
10点満点で何点ですか?
そういった質問です。
このアンケートは、
国際的な調査会社である
「ギャラップ社」が、
国際的な世論調査で
毎年行っているものです。
この質問への各国の
回答の平均は、
「世界幸福度報告」として
毎年発表されています。
要は、世界基準となる
幸福度指標があるのではなく、
それぞれの国の国民が
「どう思っているか?」
そのアンケート調査結果だと
いうことですね。
年収300万円でも、
幸福と感じる人もいれば、
感じない人もいるということです。
そもそも、
国によって物価も
違いますから、
単純な年収などでは
比較できませんよね。
参考までに日本の順位は
以下の通りです。
2012-15年代は40位台
2016-21年代は50位台
2022年は54位と、
先進国では最低水準です。
次に、短期的な評価ですが、
最近の幸福度を測る質問もあります。
昨日、あるいは過去1週間に
どのような感情を抱いたか?
・ポジティブな感情
・ネガティブな感情
これの出現頻度を
回答して貰い、
トータルどちらが
強かったのかを測ります。
例えば、1週間前、
仕事で大失敗して
上司にイヤミを言われ、
悲しい思いをしたんだけど、
その後は友達と
たくさん遊んだし、
家族とものんびり
過ごせて楽しかった。
こういう人は
「まぁまぁ幸福」
そう集計されます。
この短期的な幸福は、
「感情の幸せ」と
呼ばれるそうです。
ここで冒頭の年収と効用の
関係グラフを
もう一度考えてみましょう。
経済的豊かさは、
幸福度を高める。
ただし、その影響は年収が
高くなるほど小さくなる。
一見、納得感があるグラフですが、
最近、この考えに対する
学者さんたちの共通見解は、
幸福度を測る指標として、
何を選ぶか次第!
こう言っているそうです。
ノーベル経済学賞受賞の
ダニエル・カーネマン氏は、
経済的豊かさは
人生の評価を高め続けるが、
感情的な幸福は高め続けない。
例えば、年収200万円の人が、
400万円に到達すると、
長期的な目線で
人生の評価は高まります。
短期的な目線でここ数日の
感情的幸福感も高まります。
一方、年収800万円の人が、
1,000万円に到達したとき、
長期的な目線で
人生の評価は高まるが、
短期的な目線でここ数日の
感情的幸福感は、
それ程高まらない
ということです。
これは金額ベースでは
同じ200万円増ですが、
倍率でいったら、
前者は2倍、
後者は1.25倍ですからね。
しかし、それは短期的な
今比較した評価です。
長期的に見たら、
ずっと下がらずに
増えたままであれば
長期的な人生の評価は、
800万円を超えても
上がり続けるということです。
このことをカーネマンは
提唱しているわけです。
そうはいっても、
裏付けるデータが無ければ、
信じがたいですよね。
著書では世界42カ国の
独自アンケートの結果が
掲載されています。
ほとんどの国の場合、
短期的な「感情の幸せ」
については、
所得があるラインを
超えると影響が薄くなる。
(あるラインとは、
国によって物価が違うので、
単純に金額では表せない
ということでしょうね。)
次に長期的な「人生の評価」は、
国ごとに違いがあったそうです。
日米英では所得が増えるほど
長期的な「人生の評価」が
高まり続ける。
日本人は世界的に見て
特殊な存在側だということですね。
これもアメリカの影響でしょうか。
瑞、星、独、仏など
その他の多くの国では、
(瑞=スウェーデン、
星=シンガポール)
ある程度のラインを超えると
いくら所得が増えても、
長期的な「人生の評価」は
高まらなくなる。
瑞、星、独、仏などでは、
人生、お金以外にも
大事なものがある!
自由な時間、
人との繋がりなどに
気づきつつ
あるように思えます。
その反面、
日米英に関しては、
人生を評価する上では、
やっぱりお金が大切!
収入や資産が、
人生の通信簿になって
いる感じですね。
これは、
「日本人は幸福度が低い」
という最近の調査結果にも
整合しています。
なぜなら、1990年以降、
日本人の給料は上がって
いないからです。
お金が増えれば増えるほど、
人生の評価が高まる国民性なのに、
収入や資産が増えていかない。
こんな状態で幸福度が
高まるわけがありません。
ここまでを整理すると、
日本人は、
短期的にはお金が増えても
幸福度が高まらないラインがある。
長期的には他の多くの国と違って、
お金が増え続けると高まる。
日本人は無宗教、
強いて言えばお金教!
なんて言われていますが、
あながち的外れではないようです。
なお、この調査結果は、
あくまでも統計データです。
個人差があるのは大前提!
当てはまらない
人がいても当然で、
日本人全体として、
平均的にみると
こういった傾向が
あるということなので、
そこは誤解が無いように
理解してください。
②柔軟性に繋がる
何が起こるか分からない。
複雑化したこの世の中で、
どんな事態にも対応できる
柔軟性を持てるかが
重要になってきます。
グローバル化が
進んだ世の中では、
昔と比べ想定外のことが
発生します。
想定できる部分は、
学校や親などから聞いた話です。
現に年金受給開始が
先延ばしになるなんて、
誰が予想していたでしょうか。
知らない人も
いるかもしれませんが、
アーティストの
スガシカオさんが、
「やることが
見つからなかったら、
とにかく、
お金を貯めなさい!」
そう言ってるのを
聞いたことがあります。
どういう意味かというと、
やりたいことが
見つかった時、
すぐに行動できる
ようにするためです。
何を始めるにしても、
お金が掛かるものです。
「やろう!」と思った時、
お金が無いと、
貯めるところから
始める必要があります。
そうやっているうちに
時間がどんどん過ぎて、
年齢的にも難しくなり、
結局、何もできないまま
年老いていく可能性だって
あるわけです。
みなさんはどう考えますか?
「人生に柔軟性が持てそう」
「全然使わないまま
人生が終わりそう」
「お金は、あの世には
持っていけないしなー」
私は「死生観」の問題だと
思っています。
江戸時代には、
「宵越しの銭は持たない」
そんな思想もあったわけです。
いつ死ぬか分かりません。
けど、いずれ誰でも死ぬわけです。
戦争かもしれないし、
自然災害かもしれません。
他にも病気や交通事故に
遭う可能性もあるわけです。
お金を貯めるどころか、
借金まみれで最期を
迎える人もいるでしょう。
金融所得で生活している人も、
結局、元本は残ることになります。
普通に考えて、
丁度使い切って死を迎えるなんて
自ら命を絶たない限り無理です。
いつ死んでも良い覚悟、
死生観を持っていれば、
答えが見つかるかもしれません。
ただ、お金というモノを
どう捉えるかによっても
考え方が違ってきます。
そこで日常でのお金との
向き合い方について、
提案したいと思います。
日常生活での取り組み2選
今回の記事内容を読んで、
じゃあ、どうすればいいの?
そう思った人もいるでしょう。
要は、お金をどのように
貯めるか?使うか?
その2つについて、
考え方を伝えたいと思います。
①お金を貯める考え方
預金・資産形成の話をすると、
必ずこういう話が出てきます。
貧乏くさい生活をして、
何が楽しいのか分からない。
人生、お金よりもっと
大切なことがある。
お金はあの世には
持っていけない。
お金に執着した
人生は送りたくない。
先ほど、死生観の
話をしましたが、
例えば、健康のために
食べたいものを我慢して
長生きするのと、
食べたいものを
好きなだけ食べて、
早死にする!?
どちらが
幸せかってことです。
どの考え方が正しいのか?
どれも間違っていません。
あなたがどれを選ぶと
幸せを感じるかだけです。
賢い倹約ならまだしも、
ただのドケチ生活は、
人生の満足度を下げます。
人生、お金より
大切なことがある。
お金が一番だと
考える人もいるでしょう。
そして、
お金はあの世には
持っていけません。
お金は使ってこそ
価値があります。
お金に執着した人生は、
常に「もっと」を求めてしまい、
終わりがありません。
どの意見も納得感が
ありますよね。
ですが、
これらを理由に
預金を一切しなくて良い。
資産形成は不要。
そう考えるのは
極端すぎます。
ここまでで解説した通り、
日本は収入や資産が多いほど、
幸福度が高まる。
個人差はあると思いますが、
統計的に意味のある
傾向として確認されています。
そして現代では、
目的のない預金ですら、
人生に豊かさを
もたらしています。
預金や資産は、
心の余裕ともいえます。
少なくとも、
収入、資産、
預金残高が増えて、
文句を言う人
なんていないでしょう。
「幸福感が得られない。」
そう感じる人はいますけどね。
しかし、そういった人でも、
不幸のどん底に落ちた
わけではありません。
収入や資産は
一定まで伸びると、
幸福度の高まり方が
緩やかになります。
しかしそれが、
「お金が大切じゃない。」
そういうことを
意味しているのではなく、
ある程度までは、
お金を得ることで
手っ取り早く
幸福になれる。
なので、
お金は遠慮なく稼いで、
貯めていいんです。
今現在、やりたい
ことがないなら貯め、
やりたいことが
見つかった時に
思いっきり
使えばいいんです。
経済的な自立について、
私も勘違いしていましたが、
学校を卒業して社会人になって、
自分の生活費を
自分で稼げるようになる。
実は、そこがゴール
じゃないんですね。
そこまでしか学校や親は
教えてくれません。
これは経済的自立の
第一歩であって、
本当の経済的自立
ではありません。
(時間の自由は、
かなり制限されますからね。)
本当の経済的自立とは、
世の中の荒波に耐えられる
経済基盤を築くことです。
勤めている会社が、
倒産したら、
リストラされたら、
定年退職したら、
稼げなくなりますから、
本当の意味での
経済的自立ではありません。
個人で自由に
稼げるようになって、
はじめて経済的自立を
成し遂げたことになるんです。
そこが幸福な人生の
第一歩になるんです。
②お金を使う考え方
お金を貯める。
お金を使う。
この2つのバランスを
とるのは、
非常に難しい問題です。
お金の面で最も良い
生き方というのは、
自分が最も高い幸福感を
得られるだけのお金を貯めて、
自分が最も高い幸福感を
得られるものだけに
お金を使う生き方です。
限られたお金を
最適な形で、
貯めると使うに
分配するんですね。
難しい問題ですが、
考え方は色々あります。
ここでは3つの考え方を
順番に説明していきます。
地位財と非地位財
地位財とは、豪邸、高級車、
ブランド品、宝飾品など、
他者との比較で
価値が決まる財のことです。
一方、非地位財とは、
健康、自由、友情、愛情など、
他者との比較で価値が
決まらない財のことです。
経済学の中では、
地位財の獲得に終わりはなく、
どれだけ買っても
満足することがありません。
求めても求めても、
幸福になりづらいと
言われています。
例えば、タワマンに
住んでいたら、
そこよりも低い
マンションに住んでいる
人に対しては、
優越感を感じられます。
しかし、自分より
高いマンションや、
上層階に住んでいる
人に対しては、
劣等感を
抱くかもしれません。
こういう感じで、
他者との比較は、
自分より上が
気になってしまいます。
そして何事にも、
上には上がいるものです。
2杯目のビールは1杯目を超えられない!
お酒を飲まない人は、
喉がカラカラのときに
飲み物を飲むことを
イメージしてみてください。
最初に一口ないし、
1杯目を飲んだ時に
満たされた気持ちというのは、
2杯目を飲む時には薄れてしまいます。
これをミクロ経済では、
「限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則」
といいます。
しかし、最初に満たされた
感覚は記憶として残るわけです。
食べ物でしたら、
もっと美味しいものが
あると知ると食べたくなる。
それを繰り返していると
切りがないということです。
その無限ループの可能性が、
地位財にはあるということです。
もし、お金を使うなら、
地位財はほどほどにが鉄則です。
個人的には贅沢は
知らない方が良いとまで
思っています。
もし、知ったのであれば、
本当の価値を正しく理解する。
そこに徹底することを
お勧めします。
高級料理を食べても、
コンビニ弁当を食べても、
お腹を満たせ、
生きていくことはできます。
価格より価値で捉える
ように心がけましょう。
モノ消費とコト消費
過去の幸福研究により
人間はモノ消費からより、
コト消費からの方が、
幸福感を得られやすいのが
分かっています。
モノを買うというのは、
典型的な、
買えば買うほどに
満足度の上昇が減る行為です。
1着目のブランド服は
嬉しいんだけど、
10着目はそうでもないことは、
直感的に分かりますよね。
あるいは、
欲しくて欲しくて
やっと買ったモノと、
まとめ買いした時の
一つ一つへの思い入れって、
全然違うでしょ。
私も買ったものの、
一度も袖を通していない服が
何着もあります。
着ないでいたら、
体形が変わっちゃって、
流行が変わっちゃって、
歳もとって、
着てないんですけどね(笑)。
一方で、コト消費となる
旅行や習い事など、
体験のために
お金を使う行為のことです。
こちらは幸福感を
得やすいです。
「思い出の配当金」
という言葉もありますよね。
人は多くの経験をするほど、
過去の思い出によって、
人生の豊かさを
感じられるようになります。
誰でも歳を取ります。
時間は止まってくれません。
子どもを連れた家族旅行も、
行けるタイミングが限られます。
ライフステージごとに
「旬」というものがあります。
つまり、「旬」のコト消費に
お金を使うと、
幸福度が高まりやすい
ということです。
もし、お金を使うなら、
コト消費を重視せよ!
これが鉄則の一つです。
コト消費には、
もれなく時間も必要です。
こういう話をすると、
「モノを買っちゃダメなの?」
「ミニマリストが正解なの?」
そう捉える人がいます。
必ずしもそうではありません。
それは次に話します。
本当に欲しいものを買う
幸福研究で必ず出てくる国が
フィンランドです。
フィンランドは幸福度が
とても高いことで有名です。
世界幸福度報告で
2018-22年の5年間、
1位を記録しています。
ザックリ言うと
日本ではモノ消費すると、
ある程度の額を超えると
幸福度が高まりません。
それに対して
フィンランドでは、
モノ消費が増えるにつれて
幸福度が高まり続けるという、
データがあります。
その背景にあるのが
フィンランドでは、
モノを大切にする文化
だと言われています。
でも、日本も元々は、
モノを大切にしていた
イメージありませんか?
恐らくですが、
政府の政策の影響だと思います。
経済を回すためには国民に
消費して貰う必要があります。
そのため国としては、
ある程度で壊れるものを
望んでいるんですね。
例えば、家電品でしたら、
保証期間が大体1年なので、
ちょうど1年で故障するのも
技術だと言われています。
その後、PL法
製造物責任が施行され、
使い続けている以上、
メーカーは保証する
必要が高まりました。
しかし、何十年も使った
扇風機による火災事故などが起こり、
メーカーの利益確保を
圧迫する事態となり、
使用期限を10年と
定めました。
中古品も売りづらくなり
レコード針などは、
手に入れるのが
困難になりました。
そういった背景から、
日本は大量消費国に
なったのだと思います。
お金のセンスの良い人は、
貯めるべきお金は
きっちり貯めます。
使うべきお金は
きっちり使います。
このバランス感覚が
とても良いわけです。
お金を使う時には、
地位財と非地位財
モノ消費とコト消費
愛着を持って長く大切に
できるかできないか。
こういう区別を
きっちりつけて、
1番満足するモノに
お金を使う。
とても効果的な
お金の使い方をしているのに、
周りの人は
分からないだけです。
貯めると使うの
バランスに悩んだら、
ぜひ、参考にしてみてください。
動画紹介
今回の内容について、
参考になる動画を紹介します。
ぜひ、視聴してみてください。
以下のブログも参考になります。